【3月号掲載】ピンチヒッター制度導入
本学は2010年から文部科学省のモデル事業を推進し、これまで継続的に政策を進めた。女子学生や女性教職員の教育、労働環境を整備するのが狙い。女性教員を対象に新たにピンチヒッター制度を導入した。
もともとは理工学部から始まった制度だが、文系学部にも拡大した。「現在は文系学部の教授も積極的に利用している。導入当初より定着したのでは」と人事部の小橋康昭さんは話す。
教員が育児に関わりながらも継続的に研究を行うことを狙いとする。具体的には、女性教員に代わって支援者が実験や調査の補助など研究の援助をする制度。
しかし、ピンチヒッター制度の支援者は希望した全ての人がなれるわけではなく、教授会の了承が必要となる。「あくまで研究者の支援が第一目的。人材選びは慎重にしてもらっている」と小橋さん。また、「ピンチヒッターの責任は重大。同時にピンチヒッター本人の実績にもつながるように、研究をサポートしてもらっている」と研究者、支援者双方のメリットについても口にした。
現在は学内だけでなく14年から神戸大、兵庫県立大と事業を進めている。他大学の女性研究者同士による共同研究の実現が狙いだ。
小橋さんは「女性教員が、制度を利用しながら研究に向き合えている。女子学生にとっても、社会の中で働くスタイルをイメージしやすくなっている」と笑顔で語った。