【11月号掲載】低迷脱出へトライ

ラグビー部の挑戦

 「関西制覇は目標だったが、現状では難しい」と野中監督はこぼす。昨年全勝で関西王者の称号を手にした関学だが、思わぬ苦戦を強いられている。

 初戦の立命戦では、前半は14—0とリードするも、後半26分に逆転される。終了間際にトライし、辛くも白星スタートしたが、不安が残る幕開けとなった。

 その不安は確信へと変わっていく。摂南には9点差、近大には18点差、関大には22点差で3連敗。気持ちを切り替え再スタートを切りたいところだったが、昨年1点差で勝利した天理との一戦では7—62と大敗してしまう。全勝で現在1位の天理に、独走トライやモールでの押し込みトライなどを決められ、反撃のチャンスを与えてもらえない。前半30分にSO山田がインターセプトして決めたトライとキックの7点が、試合終了まで変わらず掲示板に映し出された。

 関西の各大学がレベルアップし、力のある大学が増えているの

も低迷の要因の一つ。これまでチームを支えていた主力選手らが抜けたことも大きい。しかし、ラグビー日本代表を率いたエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチも評価したという、U20代表経験のあるSH徳田主将など注目選手も残っている。大幅な戦力ダウンは想定外だった。

 「自分たちのラグビーをできるかどうか」と初戦で語っていた野中監督。どこからでも攻めに転じる、発想とフィットネスを強みとしていたが、「歯車がかみ合っていない」と現在の関学ラグビーを評する。「どれだけ選手が切り替えていくか。目の前の一戦を勝ちにいけるか」