
【6・7月号掲載】国家緊急権の勉強会
教授が論点説明
国家緊急権を考える勉強会が関西学院大で、4月から7月の第4土曜日に開催されている。第2回の勉強会は5月23日に、憲法学者で大阪大名誉教授の棟居快行(むねすえ・としゆき)氏が招待されて行われた。
国家緊急権とは、自然災害や戦争などによって国が緊急事態に陥ったとき、国家が憲法を一部停止し秩序を保つ権限のことだ。諸外国の多くはこの権利を憲法で定めているが、日本では認められていない。東日本大震災での甚大な被害や、南海トラフ地震への不安から国家緊急権の賛否が問われている。棟居氏は「国家緊急権とは、憲法を超えた存在である」と位置づけた。また、「国家緊急権が創設されたところで、災害が起きて実際に動くのは地元の人。その場の判断で動くので、本当に権利を行使できるかは難しい」と話した。日本で国家緊急権を設置するのは、現時点では難しいという。
第1回から勉強会に参加しているという参加者の一人は「さまざまな目線から国家緊急権について学び、今後自分たちがどのように動けばよいか考えたい」と話した。
次回は6月27日に開催される。事前予約が必要。