【6・7月号掲載】溺れる仲間助ける
ラットの習性発見
文学部総合心理科学科の佐藤暢哉(のぶや)教授が、溺れている仲間を助けるというラットの習性を確かめる研究に成功した。
ラットは泳ぐことはできるが、水につけられることは好まない。今回の研究は、水につけられたラットを別の仲間が助けるかどうかを確かめるもの。助けることで自分もぬれてしまうが、仲間を助けることを選んだ。
また、一度水につかった経験をしているラットは経験したことがないラットより、早く仲間を助けることも分かった。
研究が始まったのは、およそ3年前。きっかけは、卒業研究でネズミを使った社会的な研究がしたいという学生の発想。エサがある場合、仲間がぬいぐるみの場合などさまざまな条件で実験を行い追加のデータを取っていった。
佐藤教授は研究を振り返り、「正直、こんなことになるとは思わなかった。意外にいけるんだなと感じた」と話す。また、「今の学生は悪く言えば守りに入ってる。チャレンジをすることは楽しいことで、『なにくそ』と思ってやってみる姿勢があってもいいのでは」とメッセージを送った。