【1月号掲載】関大発マイクロカプセル 糖尿病治療に期待大

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 松原しおりさん(理工学研究科・修士)が2019年11月、「Okinawa Colloids 2019」でSoft  Matter poster awardを、日本膜学会主催の「膜シンポジウム2019」で学生賞をそれぞれ受賞した。

 松原さんの研究は、グルコース(糖)に反応して内包物を放出するマイクロカプセルの生成だ。同様のカプセルは今までにも存在したが、複雑な行程が必要。松原さんのカプセルは材料を混ぜるだけで作ることが可能で、比較的容易な点が大きな武器だ。反応に必要な界面活性剤を自ら作るところから始め、発表まで約1年半を要した。

 松原さんは「現状、作る段階で体に有害な薬品を使用しているので無害な薬品で作れるように研究を進めている。これを皮切りにさまざまな物質に反応するキャリア(カプセル)を作りたい」と今後の抱負を語った。

 研究は医工連携事業「KU—SMART PROJECT」の一環。松原さんは「実用化への道のりはまだ遠い」と話すが、糖尿病などの病気の治療への応用が期待されている。【東上直史】

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