関西大博物館で「関西大学と村野藤吾設計図・建築写真・絵画」展が1月28日〜2月28日にかけて開催された。建築に関心のある人のみならず、たくさんの人が訪れた。
村野藤吾(1891〜1984年)は大阪を拠点に大正から昭和にかけて活躍した建築家で、代表作に世界平和記念聖堂(広島市中区)などがある。関大では、千里山キャンパスにある約40の建物を設計。そのうち約半数は現存している。

展示は2015年度から4回目の開催で、今年度は村野が設計に携わり、昨年、大阪府指定有形文化財に登録された簡文館を中心に取り上げた。現在、簡文館は博物館として利用されている。簡文館の建物は旧図書館、円形図書館、増築棟の3部分から成り、指定を受けたのは、旧図書館と円形図書館の部分。円形図書館は村野の代表作の一つとして知られている。
会場では、設計図をはじめ、写真家・多比良敏雄さんの写真、画家・松浦莫章さんの油絵作品などが展示され、簡文館の建設当時から現在に至る過程を振り返った。関大の卒業生も多く訪れ、昔の風景を懐かしんだ。村野が関大の建物を設計した際のこだわりや学生に対する思いが紹介され、関大の歴史と「村野建築」の魅力を感じられる展示となった。
担当者の施燕(シ・エン)さんは「(展示を通して)たくさんの人に関大の建物の魅力を感じてもらえていたらうれしい」と話した。 【前田絵理香】