
(提供=石川康宏教授)
総合文化学科が主催する講演会「今を生きるアイヌ民族の学びと伝え合い」が12月17日の5限目、文学館Lー28教室で行われる。アイヌにルーツを持ち大阪で暮らす藤戸裕子さんを講師に招き、食べ物や衣服、音楽といったアイヌの文化や歴史を紹介する。
発案した石川康宏教授(総合文化学科)は大学でアイヌ民族について学ぶ機会が少ないことを懸念する。講演会を通して「アイヌ民族が差別など多くの苦労を余儀なくされてきたこと。豊かな文化や歴史をもっていることを知ってほしい」と学生の参加を呼び掛けた。
同学科は来年度の科目「プロジェクト」にアイヌ民族について学ぶコースを設ける予定。フィールドワークによる体験的な学びが特長で、夏には北海道を訪れる。全学科の2年生以上が受講できる。
アイヌ民族は日本が近代国家に移行する中で、同意なく日本国民に組み込まれた。その後の「同化政策」のため、親から子への文化の継承や発展が困難になった。
今年5月に施行されたアイヌ施策推進法(アイヌ新法)で初めて法的に先住民族として認められた今、先住民族としての権利をどのように保障するのかが大きな課題となっている。【川村仁乃】