ジェンダー・スタディーズの研究を促進する「女性学インスティチュート」が6月6日、文学館で「第5回女性学研究会」を開いた。テーマは「親愛なるレニーへ レナード・バーンスタインとふたりの日本人」。ハワイ大アメリカ研究学部の吉原真里教授(アメリカ文化・ジェンダー研究)を招き、9月に刊行予定の書籍「Dearest Lenny:Letters from Japan and the Making of the World Maestro」の内容を紹介。講演には本学の学生や教員、研究員らが参加した。
吉原教授は、20世紀を代表する、世界的な影響力をもった米国の指揮者、作曲家であったバーンスタインと日本の関わりを解説した。
熱烈なファンであった女性の天野和子さんと、バーンスタインの同性の恋人のひとりから仕事上のパートナーになった橋本邦彦さんのそれぞれが送った数多くの手紙を披露しながら、それぞれの人物にとってのバーンスタインの意味を語った。
吉原教授は講演の最後に 「交信のデバイスは時代と共に変化するが、書簡特有の深い愛情の形が感じられる。感動の多いプロジェクトになった」と振り返る。
参加した学生(英文・3年)は「吉原教授の熱量に圧倒された。本当の講義、考えるという感覚を実感した」と話した。【福住麻友】