
「本学独自の学び方を伝えたい」
12月19日の昼休み、図書館新館1階のiLibで「副専攻おんがくかコンサート」が開催された。演奏したのは副専攻プログラムのリベラルアーツ&サイエンスプログラム(17000学生以降はマイナープログラム)で声楽を専攻している川村優さん(総文・3年)と、バイオリンを専攻している村上由子さん(総文・3年)、松本菜々香さん(総文・3年)の3人。
コンサートは、副専攻プログラム(ここではリベラルアーツ&サイエンスプログラムと、マイナープログラムを指す)を広めることと、図書館利用者数の増加が狙いだ。
初めにクリスマスキャロルメドレーと題し「あら野のはてに」「きよしこの夜」「もろびとこぞりて」を演奏。最後に「Never Enough(The Greatest Showmanより)」で締めくくった。演奏だけでなく、副専攻プログラムの紹介や書評コンテスト受賞者との対談も行われた。
コンサートの話が出たのは2018年10月中旬。川村さんが本学とは別の書評コンテストに携わっていたため、図書館課長の石村真紀さんと関わりがあった。川村さんの「副専攻プログラムを知ってもらいたい」という希望と石村さんの「図書館利用者数を増やしたい」という希望が一致。コンサート開催につながった。川村さんが二人に声を掛けた。松本さんは「図書館で演奏するという貴重な体験ができる。人に自分の演奏を聞いてもらえる」、村上さんは「副専攻プログラムでは個人レッスンが多い。声楽の人とアンサンブルをしたことがなく、面白そうだ」と思い、賛同した。当初は学祭で演奏することも考えたが、村上さんが軽音楽部だったためスケジュールの調整が難しく断念。12月の開催になった。
コンサートを終え、川村さんは「思ったより職員の方が多かった。学生をターゲットにしていたが、職員に知ってもらうことで学生に伝わるかもしれないと手応えを感じている。また図書館利用法の多様性についても、伝えることができた」と話す。3人とも「またコンサートをやりたい」と意気込みを見せた。
履修生が感じる プログラムの魅力
副専攻プログラムの魅力は、副専攻の学びを自分の専門に結び付けて、学びを深めることができること。松本さんは地方の国公立大に受かっていたが、副専攻で音楽ができると本学に進学した。
一方で副専攻プログラムは修了が難しいという声もある。所属学科の勉強との両立が、時間的に厳しくなり、断念する学生もいる。特に音楽学科の分野を修了するには、学科生に匹敵するレベルの演奏技術が求められ、やり遂げるには強い意志が必要になる。川村さんは「実力よりも、熱意と挑戦心が大事。後輩たちにはまず挑戦してほしい」と話す。職員に説明会の告知を分かりやすくしてもらえるよう、呼び掛けもしていきたいとしている。村上さんは「20単位そろえるというイメージが先行し、本来のメリットを見失っているように感じる。大学生には好きなことを好きなだけ学ぶ時間がある。副専攻プログラムなら学ぶ時間を有効に使える」と話した。
4学年40人履修 終了認定は約半数
副専攻プログラムの履修許可を得ている学生は、4年生11人、3年生10人、2年生7人、1年生12人の計40人(2018年12月21日現在)。
リベラルアーツ&サイエンスプログラムの1期生であった14000学生については、履修者5人のうち3人が修了した。2期生となる2018年度の4年生(15000学生)については、履修者11人のうち5人が修了する予定である。
修了者が約半数であることについて教務課の担当者は、「時間割上、メジャーとの両立が難しくなる学生もいると思われる。また、履修を進めていくことで興味の対象が変わる場合もあるだろう」と述べた。また「修了するには強い意志が必要であるが、興味があるなら積極的に挑戦してほしい」とも話していた。
マイナープログラム
リベラルアーツ&サイエンスプログラムは14000学生(2014年度入学)から導入され、17000学生(2017年度入学)からはマイナープログラムに改められた。
マイナープログラムは、本学の掲げるリベラルアーツ&サイエンス教育に基づき、自分の所属する学科以外の分野を専門的に学ぶことができるプログラム。
3学部5学科に関わる専門分野に女性学を加えた19の分野で構成されている。4年前期終了時までに、指定された科目群から20単位以上を修得するとプログラムの修了が認められる。
履修するには、希望する分野の学科に履修申請を出して許可を得る必要がある。英文学科、総合文化学科と環境・バイオサイエンス学科に関わる分野の履修については、特に条件を定めていないが、心理行動科学分野の履修には、面接とGPAの得点による選考がある。また、音楽学科に関わる分野を履修するためには、音楽学科各専攻の学生と変わらないレベルが求められるため、履修認定実技試験に合格する必要がある。