
北大阪急行線の延伸が2024年に延期され、学生は少なくとも3年間は新駅「箕面船場阪大前駅」を利用して通学ができない。新駅から新キャンパスまでは徒歩1分だが、工事の延期により大阪モノレールおよび阪急の千里中央駅が最寄り駅になり、上り坂が続く道を15~20分歩くことになる。新キャンパスに通う予定の学生は寮生含め約3000人。阪大は箕面新キャンパス移転に関する基本方針の一部として「アクセシビリティの高い交通環境づくり」を挙げていて、現在代わりの交通手段の確保に動いている。
19年6月に阪大が外国語学部の1、2年生に対し移転後に考えている通学方法や転居の有無に関してアンケートを行った。約500~600人が学内連絡バス(通称、再履バス)を主な通学手段として利用すると回答した。だが学内連絡バスの本来の運用目的はキャンパス間移動の補助であり、また阪大の予算の都合や現在契約運行している阪急バスの運転手確保が難しくなったことなどを背景に、従来よりも運行ダイヤを見直し、適正化を図るという。一方で千里中央駅から新キャンパス所在地の箕面市船場東へ多くの阪急バスが運行している他、阪大は地元の繊維業者組合の関係者用のバスを学生が利用できないか、交渉を続けている。実現すれば発表は20年春ごろになる。
阪大は箕面新キャンパス移転に関する基本方針の一部として「環境負荷低減に配慮したキャンパスづくり」を掲げ、周辺の交通渋滞防止、二酸化炭素(CO2)排出削減の観点から、学内者の自動車での通勤・通学を全面的に禁止する。新キャンパスの近隣には箕面市が管理する約3000台が収容できる公共の有料駐輪場が設置され、民間の有料駐車場が多数存在する。【田中夏生、写真は児玉七海】