2019年度に始まった、複数の学部の学生が少人数で学ぶセミナー式授業「学問への扉(愛称マチカネゼミ)」。春夏学期に授業を終えた学生、教員双方の意見を聞いた。【児玉七海】

 「マチカネゼミ」について学生はどう思っているのか。2019年度に入学した1年生を対象に12月9日から31日までアンケートを実施し、全11学部、104人から回答を得た。(数値の小数点以下は四捨五入)

  授業の満足度について 「とても満足」「まあ満足」と答えた学生は61%、「普通」が24%、「やや不満」「とても不満」が15%だった。「満足」の理由には「内容が面白かったから」が最多で、「楽だったから」や「先生の教え方が良かったから」といった回答もあった。「不満」の理由には「内容が面白くなかった」と「授業形態が自分に合わなかった」が同数で、最も多かった。「希望にない授業にされたから」との声もあった。学生は受講前に第8希望まで希望を提出する。実際に受講していた授業を何番目に希望していたかを尋ねると、第1希望が71%と大半を占めたが、第4希望以下と答えた学生も19%いた。

  マチカネゼミを発展させた内容で、秋冬学期に任意で受けられる「アドヴァンスト・セミナー」を受講しているかを尋ねると、受講している学生が7%、受講していない学生が93%だった。受講していない理由は「受講しようと思わなかったから」が最多だったが、「知らなかった」との回答が多かった。

 自由記述欄には「希望がより通るようにしてほしい」との意見が多かった。その他、内容の難しさを訴える意見がある一方で「最先端の研究をのぞき見ることができる授業にして欲しかった」といった他の授業にない内容を希望する声もあった。

試行錯誤の末 確かな手応え

 教員側はどのような感想を持っているのか。全学教育推進機構の宇野勝博教授、杉山清寛教授に話を聞いた。

  全学教育推進機構は春夏学期の終了後に学生にアンケートを実施し、69%の回答を得た。満足度に関する質問では大半の学生が満足と答え「良かった」と2人は振り返る。希望が外れた学生は不満が多いのではとの質問に対して宇野教授は「希望が通ったかどうかで満足度はあまり変わらなかった。受講してみないとわからない部分も多く、希望が通るかどうかは関係ないのでは」と話す。しかしできるだけ希望の授業を受けられるようにしたいとし、人気が集中しすぎないように呼びかける考えも示した。

 教員からの反響も大きく、授業を担当した教員から「多くの学部の学生がいて大変だが、発見があって楽しい」といった声があったという。杉山教授は「予想以上の効果があった。さまざまな犠牲を払って準備したので、やったかいがあった」と手応えを感じていた。一方で導入から1年との点に触れ「システムの評価には時間がかかる。今の1年生が上の学年に上がるとどうなるかなど、長い目で見る必要がある」と話した。