クッションが敷き詰められた会場

 大阪学生Queer(クィア)映画祭が5月25、26日に、豊中キャンパスの21世紀懐徳堂スタジオで開かれた。日本・海外の映画合わせて10作品が上映され、延べ185人が訪れた。今回が初めての開催で、学生が運営するクィア映画祭は全国でも例がない。

 映画祭は性的マイノリティーが登場するドキュメント作品を中心に、ドラマやアニメーションも上映。会場には椅子だけでなく色とりどりのクッションが置かれ、観客が自由な姿勢で映画を楽しんだ。上映の合間に観客同士の意見交換の時間が取られた。映画祭を訪れた映画監督や出演者が映画の内容や自身の経験について話す場面もあった。

 来場した藤原稜平さん(21)は「(性的マイノリティーの登場人物が)『生まれ変わっても今の性別で生まれたい』と話していたのが印象的だった。その性で生きるのが本当に幸せだから言える」と話した。

 会場には阪大美術部による「日常と『性』」をテーマにした作品も展示された。

映画が揺さぶる「普通」

 映画祭実行委員の野上貴裕さん(文・4年)は、他のクィア映画祭を見た経験から友人と大阪大での映画祭を企画した。「ここでしか見られない作品、なるべくとがった作品を選んだ」という。「クィア(という理念)に含まれるメッセージを伝えるのに、映画は良い媒体だと思う。現実に起こっていることを実感してもらえれば」

  「クィア」は英語で「変態」を意味し、性的マイノリティーを指して用いられていた言葉。侮蔑的なニュアンスを含む呼び名を、あえて当事者が自ら名乗った歴史がある。実行委員の五十里(いかり)翔吾さん(基礎工・4年)は閉会のあいさつで「『クィア』は、『普通』と『変』の境界を揺さぶる動的な試み。『性』の問題と切り離せない日常の生活を同時に問うことで、自らの問題として考えてもらいたい」と語った。

【武田寛明】