
大阪大総合学術博物館で、第12回特別展「The Mineral World 人と鉱物のつむぐ物語」が開かれ、国内外の鉱物や書物、約300点が展示されている。
今回の目玉は、世界遺産の石見銀山(島根県大田市)で採掘された銀鉱石と江戸時代に書かれた和紙の鉱物ラベルのセット。阪大総合学術博物館の伊藤謙特任講師らが発見・分析した資料で、実物の展示は、関西初だという。江戸時代の日本の鉱脈や鉱物採掘の詳細を知る重要な手掛かりとなる。その他、旧制大阪高校の旧蔵標本や、江戸時代の本草学者で発明家の平賀源内が作った火浣布(かかんぷ)という燃えない布も展示されている。
伊藤特任講師は「人間が鉱物を利用し、研究してきた歴史の流れが分かる展示にしている」と語る。堺市から訪れた女性は「鉱物にまつわる絵巻物や書物も見応えがある」と話した。
12月21日まで。入場無料。
学生も楽しめる展示に
展示には、博物館資料部を手伝うマチカネKOZOZ(コゾウズ)の学生も関わった。博物館が所蔵する約2000点の鉱物標本の整理に加え、展示方法の提案や標本ラベルの作成も行った。代表の中山大(だい)さん(基礎工・4年)は、「学生の皆さんにも楽しく見てもらえるよう工夫した」と話した。
【田中穂乃香】