来場者でにぎわう光の広場(ららぽーとEXPOCITYで 撮影=田中穂乃香)

 大阪大学共創DAY「大阪大学とあそぼう」が17日、ららぽーとEXPOCITY(大阪府吹田市)で開かれた。阪大のさまざまな研究や実績、資料などを紹介するブースや体験コーナーを四つのエリアの38カ所で展開。家族連れを中心に多くの人でにぎわった。

 「世界の衣装・雑貨でプチ旅行」では、子どもたちが世界のさまざまな衣装を着たり楽器を演奏したりした。ブースを担当した室谷大地さん(外・2年)は「子どもたちが外国に興味を持つきっかけになれば」と話す。

 「ひと+ものづくり@西成」では、子どもたちが大阪市西成区で作られた素材を使って「カメレオンのマスコット」を手作りした。西成区の事業所と府立西成高校、阪大の未来共生イノベーター博士課程プログラムが一体となって行っている「西成×RESPECTプロジェクト」の一環。プロジェクトに携わる神田麻衣子特任助教は「今回の体験を通して来場者の皆さんに地域の力を感じてほしい」と思いを語った。

 「切ってもつながるポリマー」では、理学研究科が開発した「ウィザードゲル」を展示。子どもたちが、医療への応用が期待されるポリマーを切ったりくっつけたりして高い伸縮性と修復性を体感した。京都府から訪れた女性は「子どもたちはさまざまなことに興味を持つ年齢で、大学の最先端の研究に触れることは貴重。他の場所でも開催してほしい」と話した。

研究者が活動報告 社会との連携深め

 共創DAYに先駆け、シンポジウム「産官学民で共に創る未来の社会」が6日、ホテル阪急エキスポパーク(同市)で行われた。阪大の研究者が社会と連携する四つの活動を紹介した。

 情報科学研究科の山口弘純准教授は、EXPOCITY3階の客の移動をセンサーで感知し、解析する実証実験について報告。屋内にいる人を正確に把握しにくい衛星利用測位システム(GPS)を使わず、36台のセンサーで人の動きを解析し、データを蓄積する。混雑度のリアルタイム配信だけでなく、今後は人工知能(AI)での混雑予測に生かすという。

 【田中穂乃香、山本秀明】