
流れてきた音楽につられて集まった人達が、曲に合わせて自由に体を動かし始めた。リズムに乗って手を突き上げたり、各自好きなように踊ったり、近くの者同士で円を描いたり。普段の大阪大の様子からは想像のできない光景が、夜の帳の下りた会場に広がった。
まちかね祭1日目のトリのステージ企画「まちかねDJ trio」だ。近年世界で一大ムーブメントとなっているダンスミュージックの一部、Electronic Dance Music(以下、EDM)を流し、会場に興奮の渦を巻き起こした。元々教室などでもDJパフォーマンスは行っていたが、野外ステージでのクラブイベント企画は、まちかね祭史上初の試みとなる。
「EDMはチャラいという誤解を払拭したかった」と話すのは代表の大辻允人(まこと)さん(HONE$T、法・3年)。EDMには知られてはいないけれどもっと盛り上がれる曲もあることを伝えたかった、と話す。結果、ステージは大盛り上がり。メンバーの石橋祐輔さん(DJ Yusuke、基礎工・M2)は「阪大生とクラブ系は結びつかないイメージもあったけど、予想以上にみんなが盛り上がってくれた」と喜ぶ。
去年までの1日目のトリは、慣習的にはアカペラサークルのステージ企画の枠だった。しかし、まちかね祭のステージ企画枠の申し込み自体は先着順。そこで、ウェヴサイトでの受付が始まるのを待ち、すぐに入力を行ったところ、どこよりも先に枠を勝ち取ることができた。「夜の方が照明が映えるし、みんなが恥じらいを捨てて盛り上がれるから、この時間帯を狙った」。一層の場の盛り上げのため、実行委員会が用意した機材の他にも、レーザーやスモーク、ストロボなどを自前でレンタルしたという。
高崎ケニーさん(K3nnycyber、基礎工・4年)は「海外ではクラブイベントが一般的で、大学祭でも普通に行われているのに、日本ではあまり浸透していない。留学生の友達とも、クラブイベントがもっとあればいいのに、と話していた」と話す。「阪大の学祭といえばクラブイベントだよね、となってくれたら」と期待する。代表の大辻さんは「来年もぜひやりたい」と話した。
まちかね祭に超新星のごとく出現した「まちかねDJ trio」。今後阪大に、どのような風を吹き込んでくれるのだろうか。