同志社大は、医薬品の研究開発などを行う日本革新創薬株式会社と2月17日に共同研究契約を結んだ。目の角膜疾患治療薬の研究開発が目的。生命医科学部が保有する病態モデル細胞を使い、同社が提供する新薬のもととなる新薬候補化合物の薬効評価などを行う。最終的には臨床試験の実施を目指す。
角膜は目の表層にある透明な組織。病気や外傷で混濁や変形が起こると重度の視覚障害が生じる。現状、重度の視覚障害が生じる角膜内皮疾患の治療法は、角膜移植しか存在していない。
生命医科学部では、眼内の細胞増殖促進や細胞障害抑制を利用し、角膜内皮治療薬の開発に関する研究が行われている。日本革新創薬も眼科領域での新薬開発や事業開発に多くの経験を持っていたため、今回の契約締結に至った。同志社大は今後、出願中の特許の実施権を同社に与え、共同で角膜疾患を治す薬の研究開発を進めていく。
同社は「有効な治療薬の開発が望まれていて取り組む意義がある」としている。 【山中秀祐】