カエルの鳴き声を解明——蚊を呼び寄せる「ガッ!」

 「トゥンガガッ」。独特な声の主は、中南米に生息するトゥンガラガエルのオス。同志社大生命医科学研究科の合原一究(いっきゅう)日本学術振興会特別研究員らのチームは、蚊やコウモリなどの天敵を誘引する原因がこの鳴き方にあるということを突き止めた。研究成果は、動物行動学の専門雑誌「エソロジー」に掲載されている。

 特徴的な鳴き声はメスを引きつけるという点で繁殖において重要だが、天敵などに気付かれるリスクもある。しかし、どのような鳴き方が外敵に狙われやすいのかは明らかになっていなかった。

 研究チームは、2013年にパナマでトゥンガラガエルのオスとその声に近づく蚊の行動を調べる野外調査を実施。鳴き声に「トゥン」は必ず含まれ、「ガッ」の数には個体差があるという。調査で得たデータを分析すると、「ガッ」の鳴き声を多く発するオスに蚊が集まりやすいことが分かった。

 録音したオスの鳴き声をスピーカーから流す室内実験では、蚊が集まりやすい鳴き声がメスにも好まれる傾向がみられていた。合原研究員は「メスに好まれる鳴き声のオスは、多くの蚊にも狙われる。繁殖機会の減少や感染症に感染する可能性が考えられる」と話す。今後、研究チームはメスへの求愛行動と蚊に狙われるリスクの観点から、トゥンガラガエルと蚊の関係性を調べていく。【山中秀祐】

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