GPAの高さ本当に必要? 就活への影響少ない

 ゼミの選考基準や大学院へ進学する際の評価基準など、主に学内で成績の指標として用いられているGPA。就職活動を意識して自身のGPAの向上を図っている学生もいる。高いGPAの数値は本当に学生に必要なのだろうか。

 同志社大学PRESSではGPA評価に関するアンケートを実施し、同志社大生107人から回答を得た。自身のGPAの高さを「とても気にしている」、「少し気にしている」と答えた学生は合わせて60%を超えた。その理由として最も多く挙がったのは「就職活動に関わると思うから」という意見だ。中には簡単な授業を履修することで、GPAを上げようとしている学生もいる。
 各科目のGPAの平均を見て、次学期に履修する科目を決める学生は多い。同志社大では前学期を振り返るために授業クラスごとの評点の平均値や分布、授業講評の公表を行っている。公表している本来の目的は、前学期に受講した科目の評価の位置付けや基準を学生に知ってもらうため。しかし、この公表を授業の難易度を判断するための基準として利用している学生も多い。
 多くの学生が気にかけている就職活動への影響だが、キャリアセンターは「大学によって評価基準は異なる。GPAが高ければ、真面目に学業に取り組んだという一つのアピール要素にはなるが、それが選考の全てを決定するわけではない」と話す。GPAの数値は就職活動の選考に直結するとは言えない。
 GPAが指標となるのは主に大学内。留学希望の学生の選考や一部のゼミの選考、奨学金の貸与、大学院へ進学する際の評価などに用いられている。GPAは、成績評価を数値化した指標とされているが、比較しづらい面も。学生からは「学部や講義ごとに評価基準の差があるのはおかしい」という批判の声もみられた。
 学生に対し教務課は「自分のためになる科目を積極的に受講してほしい。その上でGPA制度を含むさまざまな制度をうまく活用してほしい」と呼びかけた。

◎同志社大のGPA制度
 各科目の成績評価を5段階(A、B、C、D、F)で評価し、各成績評価段階に4.0から0.0の評点(Grade Point)を付与して、1単位あたりの評点平均値(Grade Point Average)を算出する。
【富山陽色】

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