【9・10月号掲載】自然災害の被害 研究結果を報告

 京都大防災研究所自然災害研究協議会は9月11日、キャンパスプラザ京都(京都市下京区)で 「第56回自然災害科学総合シンポジウム」を開いた。京大防災研究所をはじめ、東京工業大、北海道大、東北大などの防災の専門家6人が近年の災害研究に関して講演し、大学関係者などが参加した。 

 京大防災研究所の丸山敬教授(風工学)は、昨年9月に近畿地方を襲った台風21号の際の強風・ 高潮被害に関する調査と研究の成果を報告した。飛行機からの映像や衛星データを使い、住宅の被害を推定した結果、大阪府南部の海岸部に集中していたと説明。強風で和瓦などの古い屋根材が飛散し、飛来物が原因で、耐風設計された建物や電線にも被害が出たと分かった。 

 昨年の台風21号で起きた関西での停電や今年9月の台風15号で起きた関東での大規模停電など、近年の災害の被害状況から、強風で送電システムが壊れるリスクについても言及した。被害の規模によっては復旧に相当の時間を要すると述べ、社会全体で対策を講じることが責務だと訴えた。 

 自然災害研究協議会は全国的な災害研究組織。全国を八つの地区に分け、研究者同士のネットワークの構築などに取り組む。     

【田中穂乃香】

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