【3・4月号掲載】試験中に2問削除 18年度入試の化学

 京都大は10日、2月26日に実施した2018年度一般入試(前期日程)の化学で、試験中に小問2問の削除と問題文4件の訂正をしたことについて、「受験者に動揺を与えたことを深くおわびする」とウェブサイト上で謝罪。「再発防止に取り組み、信頼回復に努めていく」とコメントした。

 削除されたのは、氷を題材として物質の構造や性質に関する理解度を問う大問中の小問2問。

 1問目は、氷の結晶構造と部分的に構造が相似している物質を問い、「ダイヤモンド」と解答させることを意図していた。だが設問文では「結晶構造」が結晶全体を指すのか、一部分を指すのかが不明瞭だった。

 京大は、結晶構造という用語について「結晶全体の構造と受け取るのが自然」とし、「正答は存在しない」と判断した。同問題は、設定の不備で削除された2問目の解を誘導する位置付け。大幅に問題訂正すると、受験者を混乱させる可能性があったため、削除した。

 2問目は、結晶中の水分子の結合角について四つの選択肢から選ぶ問題。削除した理由については「学問的正確さを欠き、解答不能となる恐れがあったため」としている。
【西崎啓太朗】

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