【3・4月号掲載】琵琶湖周辺の河川の魚 水中放出のDNAで推定
琵琶湖周辺の河川に生息する魚の種類を、水中に放出されたDNAを分析する新技術で推定できたと、京都大フィールド科学教育研究センターの中川光特定助教らが発表した。個体を直接確認する従来の調査方法に比べ、手軽に行えるようになる。研究成果は2月28日に米科学誌に掲載された。
京都府の舞鶴湾で実施した調査などで、新技術は魚類の多様性を調査する際に有効だと確かめられていた。だが河川で精度の高い調査ができるかは、検証されていなかった。
中川助教は、2014年8〜10月に10日間かけて、滋賀県や京都府など51河川102地点で水を採集。魚の体表やふんなどとともに、水中に放出されたDNAから生息魚種を推定した。結果は、従来の方法で得られたデータから予想された44種のうち38種と、未報告の2種の魚類のDNAを検出。新技術の有効性を確認できたという。
【西崎啓太朗】