変人講座 盛況

変人講座が行われた人間・環境学研究科棟(撮影=田林航)

 第5回京大変人講座が11月10日、吉田南構内の人間・環境学研究科棟地下講義室で開催された。会場には学生から学外の人まで多くの聴衆が集まり、講演に聴き入った。

 京大では変人は褒め言葉だとされる。京大変人講座は、「変人はイノベーションを起こすことができる」とし、変人が許容され、真面目な人と変人が共存できる世の中を目指すことがコンセプト。人間・環境学研究科の酒井敏教授(地球流体力学)が中心になり、今年5月から開始。毎回京大内から講師を迎え、講演を開いている。

 5回目になる今回のテーマは「恋愛も不便じゃなけりゃ萌えない」。デザイン学ユニットの川上浩司教授(不便益)を招き、不便さの中にある利益について講演した。

 川上教授は、不便であることにより発生するメリットを「不便益」と名付け、研究している。例えば、最近の車は遠隔操作でドアロックができるが、昔の車は鍵を回さなければならなかった。しかし、鍵を回すことで、鍵が掛かる音が聞こえ、安心感が生まれると主張。

 川上教授は不便益の考えを活用し、「曲線電子レンジ」を考案。「曲線電子レンジ」は自分で時間と温度の関係のグラフを描くことでレンジがその通りに動く。面倒だが、自分の思い通りに電子レンジを動かせることに利益があるとする。

 タレントの越前屋俵太さんの進行で随時質疑応答を展開。会場は笑いに包まれた。最後は聴衆がそれぞれのポーズで「変人万歳」と唱和して終わった。

 講座終了後、希望者は本部構内のレストラン「カンフォーラ」に移動。「変人BAR」と題した懇親会が開催され、参加者はお酒や食事を楽しみながら談笑した。

 企画は今年度中あと2回行われる。12月8日に第6回が、第7回は1月12日に変人ライブと称し今までの登壇者と山極総長が講演する。

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