【9・10月号掲載】噴出の前兆観測 地上望遠鏡から 太陽フィラメント

 京都大大学院総合生存学館の関大吉さん(博士一貫課程)らの研究グループが太陽の表面から大量のプラズマが噴出する現象「フィラメント噴出」の前兆を地上の望遠鏡から定量的に観測することに成功した。

 太陽の表面で爆発が起こると太陽の大気中に存在するプラズマが宇宙空間に放出される。プラズマが地球に到達すると、地磁気が乱れ、停電が発生するなどインフラに影響が出る。

 爆発の予測は主に人工衛星のデータを基に行われているが、プラズマが衝突すると人工衛星が故障する恐れもあり、地上からの爆発予測が必要とされていた。

 昨年11月のフィラメント噴出時に、京大飛騨天文台(岐阜県高山市)の太陽磁場活動望遠鏡で観測されたデータを用いて分析。プラズマの動きの激しさを数値化したところ、噴出の約1時間前から動きが活発化することが判明した。

 今後は地上望遠鏡を用いた爆発の予測体制確立を目指す。関さんは「さらに多くの爆発例に対し検証したい」と話した。【田林航】

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