【9・10月号掲載】高校生ら「学び」考える 京大研究者が出前授業

付箋紙を使って情報を整理している生徒の様子 (提供=高等研究院iCeMS)

相談してプレゼンの準備を進める生徒の様子 (提供=高等研究院iCeMS)

 

 

 「考えられる学生を育てたい」。京都大の物質―細胞統合システム拠点(iCeMS)に所属する研究者が、「学びのカラクリ」と題し高校生に出前授業を行っている。最新の研究成果を題材に、高校生らは「学ぶ」ことを考える。

 これまでに京都学園高(右京区)や長崎県立五島高(五島市)など全国4校を訪問した。研究者が最先端の研究を紹介し、聞いた内容を基に高校生同士が議論して新たなアイデアを生むことに挑戦する内容。

 3月に訪れた福島県立会津学鳳高(会津若松市)では、参加した生徒のうち5人を京大に招待。4月からiCeMSの研究者と生徒が連絡を取り合い、8月8日に研究者に向け英語で発表を行った。

 iCeMSの古川修平准教授は「(高校生に)科学者になってほしいわけではない」と話す。どのような分野でも生きる、自ら考え実行する力のある人を育てるのが目的だという。

 iCeMS客員助教の勝田陽介さんは活動をドミノ倒しに例え「自分たちにできるのは初めの一押しだけ」と語る。今後は活動を広く波及させることを目指し、各地の高校での授業を続けていく。【垣内勇哉】

あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です