【7月号掲載】京大と産総研 共同研究拠点
京都大と国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)は4月、新たな共同研究拠点「産総研・京大エネルギー化学材料オープンイノベーションラボラトリ(ChEM—OIL)」を設置した。大学と企業の研究を結び付けることを図る産総研からの働き掛けで実現。低炭素社会の実現に向けエネルギー変換・貯蔵効率の良い燃料電池や蓄電池などの電気化学デバイスをつくることを目標とする。
京大は材料に関する基礎的な研究や解析技術の分野で強みを持つ一方、産総研はエネルギーを貯蔵・変換するデバイスを作る上で必要な応用的な技術を持つ。両者の技術を合わせ、エネルギーの従来にない変換・貯蔵技術の開発を目指す。
研究は、(1)電気エネルギーと化学エネルギーを変換・貯蔵するためのデバイス装置を作るのに必要な基盤となる技術や材料の開発(2)デバイスの安全性などを高める電解質材料開発(3)触媒や電極の設計開発——の三つに大きく分けられる。
現在は実験装置などを選んでいて、11月ごろの本格稼働を予定する。徐強ラボ長は「力を合わせ日本の産業界に貢献できるようにしたい」と語った。【田林航】