【9・10月号掲載】アメフト部法人設立 体制確立と大学の活性化目指す
アメリカンフットボール部「Gangsters」が8月22日、支援団体として「一般社団法人京都大学アメリカンフットボールクラブ」を設立した。代表理事には部のゼネラルマネージャー三輪誠司さんが就任した。2月のスポンサー交渉の際に、大学側の許可があるのか、契約の当事者が誰になるのかを問われ、法人化することで大学の支援の仕組みを明確にする必要性を痛感したためだ。
社員には「国立大学法人京都大学」が名を連ね、協力体制を整えている。今回設立した法人には監査的な立場として、大学側の指名する教員が理事に入っている。また京都大が協力するにあたり、経営の透明化に向けてアメフト部の財務と人事の明確化を求めた。
一般社団法人設立の主な目的はガバナンス体制の構築。法人化によって団体名義の銀行口座が作れるようになり、スポンサー契約の際に信頼を得られる。さらに個人名義での口座管理よりも財務・経理の透明化を図ることができる。他にも長期的な自主財源の獲得、スポーツの普及など京大の基本理念に基づく社会貢献、独自のカレッジスポーツ強化モデルの構築を目的として掲げる。
京大との共通の狙いは大学の活性化。社会をリードする人材を輩出することや、京大を世界で最も魅力的な大学にすることを目指す。経営人材の育成を見据え、京大経営管理大学院の学生がインターンシップとして運営に参加する予定だ。また産学連携事業も創出。研究室とスポンサーの間に同法人が入ることで、スポーツに関係する研究をスムーズに進めることができる。
アメフト部は京都の企業との連携も考えている。「地元である京都の人に応援してもらいたい」と三輪さんは話す。また、大学生の観客が減少傾向にある学生スポーツの活性化を狙う。「学生が自分の大学の運動部を応援したいと思えるようなマーケティングをしたい」。
◎団体の法人化 進める方針に
京大は「活動の成績や内容、世間的評価が大学のプレゼンス(影響力)向上に寄与すること」、「団体の資金規模が1千万円以上であること」などの条件がそろえば、法人化の申請を受け付けるとしている。体育会所属の運動部はもちろん、文化系公認サークルや研究室などの法人化ももくろむ。三輪さんは「アメフト部の今回の法人化が先駆けになれば」と話す。
法人化を受け、さらなる活躍が期待されるアメフト部。9月22日のリーグ戦第2節神戸大戦では17―0で勝利した。10月22日午後3時には、西京極陸上競技場(京都市右京区)で昨年優勝校の立命館大との試合を控えている。
【笹川真悠子】
相手を振り切ってボールを死守するRB宮路(9月11日・西京極陸上競技場にて 撮影=中野遥)
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