京大オケ100周年 後世に想いつなげる
ことし100周年を迎えた京都大学交響楽団。これを記念し、過去の演奏会の録音を収録したCDや100年の歩みを記した年史の作成、100周年の祝賀イベントの開催に向けたプロジェクトを発足し、準備を進めている。
CDには、これまでの演奏を録音したレコードなどをデジタル化したものから抜粋し収録。OBOGの所持している音源を借りたり当時の話を尋ねたりしているという。付属のブックレットには演奏した当時のエピソードを盛り込む。
100年の間にはさまざまな困難があったが、毎年欠かすことなく演奏会を行ってきた。敵対していた連合国の音楽を演奏することが難しかった戦時中も、軍歌を演奏するなどし、演奏会を続けた。練習場の火災にも2度みまわれ、楽器や練習場が燃えてしまったが、OBOGから寄付が集まり練習を再開。火災直後の演奏会も行った。
阪神・淡路大震災が起こった1995年1月17日にも交響楽団は演奏会を開催。被災し出演が困難な団員が出る中、団員にも「(演奏会を)やれるのか」といった焦りが出始めた。公演の客演指揮を務めた佐渡裕氏が「こういうときこそ音楽をしなきゃいけない」と団員らを鼓舞。人生をテーマとしたマーラーの「交響曲第9番」を熱演した。
「京大オケには良い音楽がしたいというこだわりがある。それは100年経っても変わらない」と100周年記念プロジェクト代表の高三(たかさん)和晃さん(理学研究科・修士課程)は話す。
節目となる200回を目前にした第199回定期演奏会は6月27・29日に京都・西宮で、7月1日には東京で行われる予定だ。