86年の歴史に幕 高槻農場
【写真】設立85年の歴史を誇る西欧的な木造建築の高槻農場本館
高槻市にある農学研究科附属農場(高槻農場)で11月3日、オープンファームが開催された。農場は本年度末で高槻市から京都府木津川市に移転するため、高槻市では最後のオープンファームとなった。
オープンファームでは公開講座や農場ツアー、パネル展示、農作物の販売などさまざまな企画が行われ、多くの市民や学生たちが農場を訪れた。最後のオープンファームということもあり、全てのイベントが定員を超えるなど、大盛況だった。農場ツアーでは、イチゴやトマト、ダイジョという芋などの栽培施設を見学した。
来場した近隣の住民は「86年間、高槻市民に親しまれてきた高槻農場。ことしで最後となるのは寂しい」と話した。オープンファームを通して、来場者は高槻農場での最後の思い出を作った。
木津川市に設置される新農場では、栽培した農作物を調理できる施設を設置し、農業と食を一貫させた学習が可能になる。また、太陽光発電を利用した栽培施設など、環境にやさしい「ゼロエネルギーファーム」を目指した農場を構築していく。
高槻農場の跡地は高槻市により、「安満遺跡公園」として整備される予定だ(4年後に一次開園)。「市民とともに育てつづける公園」がコンセプト。災害時に近隣の住民が避難できる避難地としての役割も果たす。