ネコの歴史解明へ
イエネコの移動経路や各品種の起源を解明するために有用な指標となる内在性レトロウイルス(過去に感染したレトロウイルスの痕跡)を、京都大ウイルス研究所の宮沢孝幸准教授らの研究グループが発見した。
これまで、ネコの遺伝子情報への感染性レトロウイルス侵入は約500万年前の一度のみとされていたが、実際には複数回だったという。
最後の侵入は約1万年前の家畜化後。内在性レトロウイルスの保有状況を調べることで、移動の歴史や系統関係を追える。
「ウイルスと言うと悪いイメージを持つ人が多いが、そうではない。ウイルスにより哺乳類がどのように多様化してきたかを研究したい」と宮沢准教授は話す。