カンニング 人工知能で特定

 京都大大学院情報学研究科の大関真之助教らは、カンニングを行った受験者を特定するプログラムを開発したことを1月に発表した。受験者の過去の成績や試験問題の難易度、他の受験者との解答の重なり具合などを基に、人工知能がカンニングを行った受験生を特定するというもの。マーク式と記述式、両方への対応が可能だ。

 同プログラムのキーワードは「スパース性」。スパースは「まばらな、希薄な」を意味する。カンニングはほとんど行われないという「性善説」を前提とし、カンニングを行った疑いの低い受験者から順番に除外する。疑わしい受験者のみを対象とし、最終的にカンニングした受験者を特定。スパース性により、少ないデータで効率よく検出できる。

 大関助教が研究を始めたきっかけは2011年の入学者選抜試験時に京大などで起きた不正受験。「もともと研究していたプログラムをカンニング発見に応用できるのでは、と遊び心でスタートした」と話す。

 同プログラムが秀でているのは、複数のデータを基に2つの事柄の関係性を探ることだ。そのため、カンニングの発見以外にもさまざまな応用ができると考えられている。例えば脳の研究分野で、脳の一部分の働きが活発になったというデータと、身体のある機能が活発になったというデータの両方を照らし合わせ、それらの関係性や因果関係を探ることなどに活用できる可能性があるという。

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