研究危惧 投票反対のビラも
学生「霊長類学の損失」
就任にあたり危ぶまれるのは、山極氏が30年以上続けてきた霊長類研究の途絶。過去にも「野生のゴリラ同士でフルーツを分配する」、「ゴリラとチンパンジーの種間関係」など多数の成果をあげ、世界の霊長類学をけん引してきた。ゴリラたちにも「優しいパパ」を意味する「パパシャンティー」、「大酒のみ」を意味する「ガニャムルメ」など名前を付け、愛情を注いでいる。「(総長就任後に)国外のフィールドに、ゴリラたちの様子を見に行けなくなるのは寂しい」と語る。
6月の総長候補者発表後、一部学生が「山極氏が研究の現場から退くことは世界の霊長類学の発展にとって大きな損失」といった、投票の抑制を図るビラをキャンパス内に貼り出した。