【7月号】吹田くわいの苗植え 学生が伝統野菜つなぐ

大阪学院大は5月19日、平野農園(吹田市)でなにわの伝統野菜「吹田くわい」の苗を植え付けた。同大生約20人が農園主の平野紘一さんに教わりながら、畑に約800本の苗を植えた。
同大は、地域連携事業の一環として吹田くわいの保護・普及活動に2008年から取り組む。キャンパスがある吹田市の特産品を多くの人に伝えようと始まった。春に苗を植え付けるほか、夏には吹田まつりの献上行列に参加し、冬にくわいを収穫して学内で開かれる吹田くわい祭りで販売する。16年からは日常的に観察できるようにと学内でも栽培を始めた。
くわいは縁起物として正月のおせち料理に使われる。中でも吹田市で栽培される吹田くわいは明治時代初頭まで京都御所に献上されていた。吹田市のイメージキャラクター「すいたん」のモチーフになっているが、現在は生産者が減り、市場にほとんど出回っていない。
平野農園の平野さんは「農業者が高齢化する中で、手間のかかる野菜の栽培には学生の力が必要。実際に作業をすることで学生らに農作業の苦労と収穫の喜びを学んでもらい、吹田くわいを守るパワーになってもらえれば」と期待を込める。
活動に参加した和泉吉晴さん(同大・2年)は「収穫して(冬の)吹田くわい祭りで使うことを考えるととても楽しみ。今後もくわいの保護に関わりたい」と話した。【田中穂乃香】
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