【11・12月号掲載】生存競争率で多様性を維持
京都大の小林和也フィールド科学教育研究センター講師は、生態学上の「性的嫌がらせ」が生物多様性に影響し得ることを示した。成果は、14日に英科学誌ジャーナル・オブ・エコロジーにオンライン掲載された。
「性的嫌がらせ」は、セクシュアルハラスメントのことではなく、生まれる子どもが減るかわりに競争相手より自分の子どもの割合を高める生態学上の用語。動物の執拗(しつよう)な求愛や植物の受精妨害を指す。これにより十分な空間があれば数百種の生物が1万世代にわたり共存できることが確認された。
小林講師は「性が多様性を生み出す原動力であるばかりではなく、多様性の維持にも貢献している可能性を示すことができた」とコメントした。【田中穂乃香】
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