スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル医学生理学賞を、京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授(76)に授与すると発表した。本庶氏は1992年、免疫抑制分子の「PD―1分子」を同定し、がん治療の応用に世界で初めて成功。免疫分野やがん治療分野に大きな影響を与えた。

 本庶氏は1日、京大で記者会見を行い、「大変に栄誉なことで、喜んでいる。長い間共に苦労してきた共同研究者や学生諸君、さまざまな形で後援してくれた方々、長い間支えてくれた家族、本当に言い尽くせない多くの方に感謝している」とあいさつ。

 PD―1分子の発見をはじめとする基礎的な研究が、新しいがんの治療法として応用されたことについては、「『この治療法によって病気から回復して、元気になって、あなたのおかげだ』と言われることが、何よりもうれしい」と話した。今後については「これまで以上に多くのがん患者を救えるように、一層私自身ももうしばらく研究を続けたい」と語った。

 京大によると、本庶氏は66年京大医学部を卒業。75年に京大大学院医学研究科博士課程を修了した。79年大阪大教授に就任。84年に京大教授となり、2017年高等研究院特別教授に。13年文化勲章。16年京都賞。【西崎啓太朗】