【3・4月号掲載】「平等に分ける」とは 神大 分け方への好み解明
神戸大人間発達環境学研究科の林創(はじむ)准教授(発達心理学)はこのほど、人が持つ「平等な分配への好み」に関する研究を実施。一方が何らかの物資を持った状態において、人は「分ける量」が同じ分配よりも「結果」が同じになる分配を好むことを明らかにした。今後調査を深めることで、分配者にとってより有益な説得法の解明につながると期待される。
先行研究では、平等な分配が事前に持つ物資の数を考慮した分け方を指すのか解明されていなかった。林准教授は「一方が物資を持った状態から新たな物資を分配する場面は少なくない」と気付き調査に至った。
研究は林准教授のゼミ生5人も携わり、ゼミ生の友人と同大附属幼稚園の園児に協力を得た。飴玉と見なしたビー玉とパペットを使い、条件を変えながら6試行を実施。各試行の終わりに「どちらの分け方が好きか」と参加者に問うた結果、全条件で「結果」が同じになる分配の選択率が半数を上回った。
林准教授は「園児をいかに飽きさせないかを考え、試行に工夫を凝らした。学生の発想力の素晴らしさにも感心させられとても楽しかった」と感想を述べた。【堀江由香】
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