昨年7月、初めて舞台の一般オーディションを受け合格。2月22~26日にアイホール(伊丹市)で開かれた公演『二十世紀の退屈男』に出演した。演出は、1980年に大阪芸術大の有志で結成された劇団「南河内万歳一座」を率いる内藤裕敬さんが務めた。
 幼い頃から女優や映画監督の存在に憧れを抱くも、周りには恥ずかしくて言い出せなかったという。高校の演劇部で演じることの面白さに触れ、夢を追うことを決意。映画や映像アニメーションを学べる同大のメディア・芸術学部に入学した。
 稽古は1月下旬から約1ヵ月間、演技だけでなく体力づくりにも取り組んだ。自分の考えの甘さに自信をなくすこともあったが、内藤さんや他の出演者の助言に支えられた。
 『二十世紀の退屈男』は6畳一間に暮らす青年の孤独と青春の残像を描いた約30年前の作品。本番中、演者が頻繁に出入りする舞台セットの襖が壊れたが、演じることをやめず、そのシーンが良いものとなるよう心を一つにして演じきった。
 今後は所属するゼミで立ち上げる有志劇団の活動に加え、自主映画の製作や脚本を書くことにも挑戦する予定。「今回の経験は学ぶことが本当に大きかった。憧れを夢に、夢を目標にできるよう着実に進んでいきたい」と抱負を語った。【堀江由香】