【1月号掲載】米・開発コンで阪大生ら3位 おしゃぶりで脱水症状感知
米国のスタンフォード大でこのほど行われた医療分野の開発コンテスト「ハッカソンヘルスプラスプラス2017」で、大阪大生を含む日本のチーム「Rota++」が総合3位に入賞。12月に東京で報告会が開かれた。
チームが開発したのは、センサーが赤ちゃんの唇の湿度から脱水状態を判定し、保護者が取るべき行動をスマートフォンのアプリで通知する機能を持つおしゃぶり。使用者のデータを分析すれば、地域で流行している感染症などを割り出すこともできるという。
Rota++はメカニカルエンジニアの山蔦栄太郎さん(阪大・博士後期)と医学生の寺本将行さん(阪大・6年)を中心に、データサイエンティストやプロダクトデザイナーを含む6人で構成。寺本さんが、パラオ共和国でロタウイルスに感染して脱水症状に苦しむ乳児を多く見たことをきっかけに開発に至った。
同コンテストではさまざまな専門分野に特化した学生や社会人がチームを組み、医療器具などを開発する。今回は「医療の低価格化」をテーマに、10月21日と22日の2日間で開催された。
応募者521人のうち日本からは11人が参加した。開催に先立ったプレゼンに賛同した参加者が集まってチームを結成。与えられた26時間で、何を作るか、なぜ作る必要があるかを話し合い、発表で使うモデルや資料を作る。
受賞を振り返り、リーダーの山蔦さんは「何のためにあるのか分からないものも多く出回っている中で、問題と解決策の両方を提示し発表できたのが良かった。今後商品化を目指して開発を続けるとともに、高齢者への応用可能性についても考えたい」と抱負を語った【堀江由香】

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