京都大は22日、京都大iPS細胞研究所の 山水康平・特定拠点助教 の論文に捏造(ねつぞう)や改ざんがあったと発表した。不正があったのは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って脳の構造体を作ったとする論文中の、主要な図6個全てと補足図5個。大学は今後、関係者を処分する方針。
 論文は、2017年2月に米科学誌ステム・セル・リポーツに掲載された。だが7月に論文の結果を再現できないとの指摘があり、大学は調査委員会を設置。9月~18年1月にかけて実験ノートの収集や、関係者からの聞き取りを行った。
 調査の結果、グラフ作成時に数値を変更しているなどの不正を確認。「重要なポイントで有利な方向に操作されており、論文の結論に大きな影響を与えている」と認定した。
 同研究所の山中伸弥所長は「論文不正を防ぐことが出来なかったことに、所長として大きな責任を感じている。心よりお詫び申し上げる」とするコメントをウェブサイト上で発表した。【西崎啓太朗】