龍谷大社会学部の学生らが製作した映画「コミュニティのめ」の上映会が、16日と17日に京都シネマ(下京区)で開催された。社会学部の学生が製作した映画の上映会は初めて。学生らによるトークショーも行われ、2日間で200人以上が来場するなどにぎわいを見せた。
 映画製作は同大社会学部コミュニティマネジメント学科の正課科目「コミュニティマネジメント実習」の一環として実施。取材を通して自身と真剣に向き合うことが狙いだ。学生らは「戦争の記憶」や「地域文化を守る人々」など興味を持ったテーマを取り上げ製作に取り組んだ。
 同性愛というテーマで映像をつくった塩貝奏葉さん(龍谷大・3年)。塩貝さんはもともと同性婚に興味や関心があったためこのテーマに決めたという。「デリケートな問題だったため、なかなか取材許可が取れずに苦戦した」と振り返る。映像の中では、取材で密着していた男子学生が大学の講義で何百人もを前にし、自分は同性愛者だと公言する場面も。塩貝さんは製作するにあたって「セクシュアルマイノリティーの考え方には正解がないし、当事者の方にも答えがわからない。ドキュメンタリー映像を撮ることでその答えに近づきたかった」と語る。
 鑑賞者からは「プロの映像のようだった」、「戦争の歴史など印象に残るテーマが多かった」など作品を絶賛する声が多かった。上映会後、塩貝さんは「つらいこともあったが、今回の経験を通して将来は映像をつくる職業に就きたいと思った」と話した。(聞き手=辨野真美)

【おわびと訂正】
17日夜に配信したFOCUS「龍谷大生 ドキュメンタリー映画上映」の記事で「塩貝泰葉さん」とあるのは「塩貝奏葉さん」の誤りでした。確認が不十分でした。訂正しておわびします。紙面PDFは後日、修正の上改めて公開します。