プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が10月26日、東京都港区であった。関西の大学からは立命大の東克樹投手(4年)がDeNAから単独1位指名。奈良学園大の宮本丈内野手(同)、村上海斗外野手(同)もそれぞれヤクルトから6位、巨人から7位で指名された。関西の大学生選手が1位指名を受けるのは、2015年の立命大・桜井俊貴投手(巨人)と大商大・岡田明丈投手(広島)以来。 【瀧本善斗・湊卓也】

プロ野球ドラフト会議で指名を受けた立命大の東克樹投手(DeNA1位)
プロ野球ドラフト会議で指名を受けた(左から)奈良学園大の宮本丈内野手(ヤクルト6位)、村上海斗外野手(巨人7位)

 東は今春、関西学生リーグ史上初となる自身2度目の無安打無得点試合を達成した。宮本は近畿学生リーグで通算107安打を記録。東と共に大学日本代表に選ばれ、8月のユニバーシアード大会(台湾)で金メダル獲得に貢献した。村上は今春の近畿学生リーグの表彰選手に指名打者で選ばれている。

 東は終始緊張した面持ちでテレビ中継を見つめ、指名後「今はすごくほっとした気持ちで、とりあえずこのドラフトを終えられたかなと思う」と話した。

 宮本と村上は奈良学園大の教室で会議の状況を見守った。宮本が昨年、奈良県三郷町立三郷小で行った教育実習の教え子らも駆け付け、宮本に手製のうちわをプレゼント。会見後「先生、おめでとう」と言葉を掛けられた宮本は笑顔でサインに応じていた。村上も友人と談笑し喜び合った。

 育成枠では龍谷大の石田健人マルク投手(4年)が中日から2位で、天理大の中村和希外野手(同)が楽天から3位で、関大の小山翔平捕手(同)が巨人から6位で指名を受けた。

「山田選手と同じ舞台で」

 ドラフト会議で指名を受けた奈良学園大2選手の話

 宮本丈内野手(ヤクルト6位)「(会議の中継を見ながら)だんだん下位になってきて、もしかしたら駄目なんじゃないかなと自分の中で考えていた。大勢の方々が僕たち2人のために集まってくれていたので、期待に何とか応えたいという気持ちだった。プロ野球選手になりたいと強く思うきっかけになった山田哲人選手が履正社高の先輩で、ずっと活躍されているので、同じ舞台でプレーしたい。4年間バッティングにはこだわってやってきた。プロの投手相手にどこまで自分の力が通用するか楽しみ」

 村上海斗外野手(巨人7位)「やっとスタートラインに立てた。陽岱鋼選手にバッティングなど全てを習いたい。家では野球の話を全くしないが、きょうは(家族に)今までありがとうと伝えたい。巨人は強い選手がたくさんいる。そこでレギュラーを取れればトップアスリートになれると思うので頑張っていきたい。3割、30本、30盗塁とれるような選手になれたら」

 ◆宮本 丈(みやもと・たけし) 奈良学園大内野手(人間教育学部4年)。右投げ左打ち、183㌢78㌔。履正社高で2、3年時に選抜大会出場。近畿学生リーグで通算80試合出場、107安打、打率3割8分5厘。6回にわたりベストナイン入り。大学日本代表として8月に台湾で開かれたユニバーシアード大会では7試合中5試合に出場。初戦で2打点を挙げるなど金メダル獲得に貢献した。

 ◆村上 海斗(むらかみ・かいと) 奈良学園大外野手(人間教育学部4年)。右投げ右打ち、189㌢95㌔。北照高で2、3年時に選抜大会、3年時に選手権大会出場。高校では投手としても出場したが、大学在学中に野手専門に。近畿学生リーグで通算43試合出場、28安打、打率2割3分9厘。今春、指名打者として表彰選手。