【写真】202ヤードを獲得し、2つのTDを決め勝利に貢献したRB山口(34番、12月3日・万博記念競技場で 撮影=新貝卓丸)

 ◇アメリカンフットボール=全日本大学選手権・西日本代表校決定戦(12月3日・万博記念競技場)

 <関学大34―3立命大>

 関学大は立命大を34―3で破り、2年連続となる全日本大学選手権(甲子園ボウル)への出場を決めた。関学大は最初のドライブでいきなりTDを挙げ主導権を握る。RB山口が一人で202ヤードを走破するなどランプレーが奏功した。守備陣も立命大のエースRB西村を抑え込み、二度のインターセプトをマーク。相手に一度もTDを許さない会心の出来で勝利を手繰り寄せた。関学大は2週間前のリーグ最終戦で敗れた雪辱を果たした。一方、立命大は序盤に奪われた主導権を最後まで取り戻すことができず、悔しい敗戦となった。
 リベンジに燃える関学大は序盤からエンジン全開。RB山口が相手のタックルをかいくぐり、左のオープンを突き大きく前進する。続く攻撃シリーズでQB西野からボールを受けたWR前田泰がエンドゾーンを駆け抜け、TDを挙げる。先制点を奪い、勢いに乗る関学大はランプレーが機能。OLとRBが息の合った連携で前進すると、RB山口が巧みな個人技で2つのTDを奪取。立命大を大きく突き放し、前半を折り返す。
 反撃したい立命大だったが、第3Q序盤にアクシデント。QB西山がランプレー中に相手と交錯し負傷退場。攻撃の司令塔を失ってしまう。代わりに入ったQB荒木を中心にラン、パスを使い分けて攻め込むがFG止まり。エンドゾーンが遠く、刻々と時間が経過する。すると、関学大が見事な連携から勝負を決める。QB西野から再びWR前田泰へTDパスが通り追加点。その後相手のファンブルをリカバーして得た攻撃シリーズではWR前田耕が力強い走りでこの試合5つ目のTDを決めて勝負あり。
 得意のランプレーで319ヤードを獲得し、甲子園ボウルの出場権を得た関学大。12月17日に学生日本一の座を懸けて日大と対戦する。【新貝卓丸】

【試合終了】関学大 34―3 立命大
(14—0、7—0、0—3、13—0)

【試合後のコメント】
▽関学大・鳥内監督

ラッキーだった。選手たちは予想以上に気持ちが入っていたし、無心になってそれぞれが力を出してくれた。オフェンスは前回やられた分をやり返そうと言っていたので、うまくいった。山口の個人技は久々に見た。ただパスはもう少し精度を上げないと。4年生が今日負けたら引退だったので、下級生も本気になって4年生を助けてやれよと言っていた。最後の最後に今年のスローガンだった「CHANGE」を達成できたのではないかと思う。

▽関学大・RB山口

OLが気合いの入ったブロックをしてくれたので、開いている場所が多くあり走りやすかった。最初のTDは相手のタックルが甘かったのでうまく走れた。前回の対戦で残り1ヤードのところでTDをとれなかったのでその悔しい思いはめちゃくちゃ強かった。自分が走って、チームを勝たせることができてよかった。

▽関学大・QB西野

OLが本当に頑張ってくれた。前回の対戦が終わってコーチやOBにたくさん励ましの言葉をもらって自分自身吹っ切って臨めた。最初の対戦では気持ちで負けていたので、気持ちでは負けないようにした。今日はパスが駄目だと分かったら自分の判断で走ろうと思っていた。判断を早くできたのでランが生きたと思う。今日は今までの成果が一番出せたと思う。

▽関学大・OL井若主将

下級生がよくやってくれた。練習の中で自分や4年生に対して強く言ってくれた選手たちには本当に感謝している。前回は西野が自分のせいで負けたと言っていた。その姿を見て「自分たちがしっかりしないといけない、自分たちで西野を守ってやろう」と(OLに)声を掛けた。僕自身は自分の体がどうなってもいいので西野に触らせないという覚悟は決まっていた。自分たちは弱いチームだが、立命だがいたからこそここまで強くなれた。

▽関学大・WR前田泰

前回負けて、「12月3日にやり返そう」と話していた。前回のビデオを見たが何度見てもいいイメージが湧かなかった。この一年の中で一番苦しい時期を過ごした。ただ最初のTDがうまく決まって、OLやRBが駆け寄ってきてくれたときにはやるぞという気持ちになれた。甲子園ボウルで対戦する日大は外国人選手がいるなど身体能力が高い選手がそろっている。自分たちは頭を使って、相手の弱点を突いていけるようにやりたい。個人としてはパスを通して、攻撃のテンポをよくしていきたい。

▽立命大・WR近江主将

焦りはなかったが、攻撃が取らなければいけないところで取れなったのが痛かった。自分としては西山がいてほしいところにいてやれなかった。後輩たちには関学大の選手とスタンドが喜んでいる姿、試合が終わりエール交換が終わっても残ってくれた立命大のスタンドの人たちを目に焼き付けろと話した。そして、恩返しを果たしてほしい。

▽立命大・RB西村

自分が走って何とかしないとという気持ちだった。甲子園ボウルに出れないのは悔しい。関学大は気持ちが入っていた。ディフェンスにもスピードと勢いがあったので、開いているところがなかった。今季はけがでなかなか試合に出れなかった。もっと試合をやりたかった。一度勝って、二回目で負けるほど悔しい経験はないので、この悔しい気持ちを忘れないでほしい。自分もアメフトは続けるのでこの悔しい気持ちを忘れずに、晴らしていきたい。