地元住民に試食を提供する隊のメンバー(撮影=堀江由香)

 京都産業大の学生団体「みらい発信局おむすび~静原応援隊~」が、農産業を通じて静原地域(京都市左京区)の活性化に取り組んでいる。18日には地元住民を招き、ワークショップと大豆試食会を開催。京都産黄大豆「オオツル」を使用した料理が振る舞われ会場は笑顔に包まれた。
 深刻な高齢化に悩む静原で農産業を起こそうと2015年に結成。略称は「静原おむすび隊」。静原と地域産業を結びたいとの思いから今年命名された。
 結成以降、野菜を中心に栽培してきたが今年、隊のテーマとなるような食材を新たに設定したいと考え京都産黄大豆に着目。京都市の大豆卸売会社、北尾吉三郎商店の協力の下、地元の農園で北尾吉太郎さんと一緒にオオツルを育てている。昨年からオオツルを栽培している北尾さんを知って、隊から一緒に活動させてほしいと申し出た。オオツルは通常の大豆に比べて大きく、甘みが強いのが特徴だという。
 隊の活動は栽培、商品化、ワークショップの三つを基本としている。大豆は今月中旬に収穫を終えたが、現在も農園では冬野菜などの栽培を実施。商品化としては、焙煎(ばいせん)したオオツルとコーヒー豆をブレンドした「大豆コーヒー」や、生地に焙煎したオオツルを混ぜ込んだ「大豆クッキー」などの開発に力を入れているという。隊長の平田拓夢さん(京都産業大・2年)は「京都産大豆を全面的に押し出せる、話題性に富んだ商品を作りたいと考え開発に至った。豆腐や湯葉など京都で有名な大豆食品も、将来的には自分たちの育てた大豆で作りたい」と話す。
 交流会では、キーマカレーやサラダなどオオツルをふんだんに使った料理が試食として提供され、参加者からは「おいしい」などの声が出ていた。他にも津軽三味線の演奏やゲーム大会があり地元の小学生らを楽しませた。
 平田さんは「多くの地元の方と交流できてうれしかった。今後はみそ作りなどを企画して、また地元の方と一緒にやりたい」と抱負を語った。 (聞き手=堀江由香)

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