大阪市立大医学部附属病院は20日、再使用が禁止されている医療機器を洗浄・滅菌して使っていた問題に関して、事実の経過や健康被害の報告についての調査結果をウェブサイトで公表した。

 大阪市大病院は8月30日、自主的に院内調査を開始。翌日に骨に穴を開ける「ドリルバー」や切断する「ブレード」を滅菌し再利用していたことがわかり、直ちに使用を中止した。

 2015年8月以降の対象患者約1000人のリストを作り、担当医に手術記録を確認させた。再使用した器具で手術を受けた患者数は整形外科や形成外科など7診療科で84人。この患者数には、健康被害の可能性が極めて低いとする歯科研磨・充塡(じゅうてん)器材を使い回したケースは含まれていない。

 すでに患者への説明と謝罪をしており、16日現在、健康被害の報告はないという。病院は今後被害が確認された場合、個別に検討して対応するとしている。

 手術器具の使い回しを巡っては兵庫医科大病院も8月、厚生労働省通知で再利用が禁止されている器具を使い回していたとして、近畿厚生局などから指導を受けたと発表していた。

【二宮聡子】