【9・10月号掲載】連載 現代学生貢献事情・上(1)
社会の中で学生は、ボランティアなどの担い手として役割を果たしてきた。活動への関わり方や学生を取り巻く環境の変化を受け、現代の学生はどのように社会貢献に携わっているのか、全3回の連載で考える。
学生の社会貢献意識が高いと言われる現代。大学側もボランティア活動をあっせんする仕組みを持つのが当たり前になるほどになっている。しかし人手不足にあえぐ学生団体も多い。ミスマッチの背景にある学生の意識を探った。
【瀧本善斗・二宮聡子・前山幸一・山中秀祐】
■大学の紹介きっかけに
2日午前、京都市南区の東寺では地震を想定した防災訓練が行われていた。境内には地元の消防も駆けつける中、学生たちの姿も見える。
参加した廣野功氣さん(同志社大・1年)は大学のボランティア支援室の学生スタッフ。この日は支援室から活動の紹介を受け、京都市災害ボランティアセンターの運営訓練を手伝った。各地から集まる人手や物資などを、必要な場所に振り分ける手順を確認した。
高校生の頃からボランティア活動に憧れていたが、身近に活動できる機会がなかった。「どこでどのようにしたらいいか分からなかった」。大学入学後に支援室の存在を知り、ボランティア活動に関わるようになったという。
訓練に参加した他の学生も、大学のボランティア紹介を通して申し込んだ人が多かった。鈴木祐輔さん(同・2年)もその一人。「ボランティアに興味のある人は多いと思う」と話し、活動に関わったことがない人にも、大学による紹介体制の活用を勧める。
東寺の防災訓練でボランティアの受け入れ手順を確認する学生スタッフら (2日・京都市
南区で、提供=同志社大ボランティア支援室)
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