東京ニュース通信社が保管している資料(撮影=嶋田敬史)

 阪南大の大野茂教授(メディア表現論)は、国民的人気アニメ「ルパン三世」や約40年続いた2時間ドラマ枠「土曜ワイド劇場」など、1960年代からの50年間で放映されたテレビ番組に関するデータベースの作成に取り組んでいる。
 「TVガイド」を出版する東京ニュース通信社が保管する約2万5千点の番組資料を、ゼミ生20人ほどと協力してデジタル化。2年ほど続けているデータベース化の作業も年内には完成の見通しだ。番組情報やチラシ、番組について書かれた新聞記事をデジタル化してまとめることで、テレビ文化の二次資料を将来に残すことができる。
 東京ニュース通信社は地下や倉庫に、新番組の概要などをまとめたマスコミ向けの冊子や、人気俳優について書かれた雑誌のスクラップなどを保管。当時の資料からは、未確認生物や心霊現象の特集、事件の再現映像といった企画が60年代のワイドショーから始まっていたなど、テレビ番組の歴史を知る上で重要な情報が得られる。
 データベース化を続ける意義について、大野教授は「一度放映されると忘れられてしまうテレビの番組制作者の思いを未来に残したい。」と語った。
【嶋田敬史】