神戸大と白鶴酒造(神戸市)が共同で開発した純米酒「神のまにまに」が、10月1日から、同大生協などで販売される。同大農学研究科附属食資源教育研究センターが作った米「きぬむすめ」が原料に使われている。イネについて学ぶ農学部生らが、ラベルデザインと商品名を考えた。
 控えめな辛口で、すっきりとした後味。日本酒初心者にも味わえる仕上がりとなっている。
 立地が近く、以前から交流があったことから実現した共同開発。学生は、神戸をアピールしながら、普段日本酒を飲まない若者や女性にも手に取ってもらうことを目指し、アイデアを出した。「神のまにまに」は、菅原道真の歌「このたびは幣(ぬさ)も取りあへず手向山(たむけやま)紅葉の錦神のまにまに」にちなんだもの。神戸から「神」の文字を取りながら、日本酒への情熱を、道真が紅葉に込めた神への思いと重ね合わせた。ラベルには六甲台の校舎と紅葉をあしらい、親しみやすいえんじ色を採用した。
 販売開始の1日には、白鶴酒造資料館(同)で行われた酒蔵開放イベントで学生自ら商品をPRした。ラベル考案に携わった藤田このむさん(4年)は、「お酒を飲んだことがない人にこそ飲んでほしい。ビターチョコと一緒に味わうのがおすすめ」と話す。同研究センターの山崎将紀准教授(植物遺伝育種学)は、「学生には、日本酒を通じて伝統を学び、神戸をアピールしてもらいたい」と語る。来年も共同開発を継続する予定だという。
 価格は720㍉㍑詰め1本1300円(税抜)。同大生協国際文化学部店、六甲台第1キャンパス社会科学系アカデミア館2階BEL BOXショップ、白鶴酒造の直売全店(白鶴酒造資料館、白鶴御影MUSE)、いい白鶴ネットショップにて販売されている。         (聞き手=篭島玲)
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