vol.373 学生2人「おしり展」開く おしり 、水 テーマに
伊森智香恵さん(神戸芸術工科大・4年)、元餅みさとさん(京都造形芸術大・4年)の2人は4〜10日、作品展示会「おしり展」を、ギャラリーモノコト(大阪市北区)で開いた。 「おしり展」では伊森さんが「おしり」をテーマに、元餅さんが「水」をテーマに、それぞれ作品を展示した。
別々の大学で芸術を学ぶ彼女らは、インターンシップをきっかけに知り合った。展示会を開きたいという意思を持っていた2人は意気投合。今回「おしり展」の開催に至った。
高校で美術科に所属していた伊森さんが「おしり」の魅力に気付いたのは、像を背後から描く課題が出された時。「太ももや腰へのつながり、丸みを帯びた形にテンションが上がった」と伊森さんは話す。
一見、1色で描かれているように見えるおしりの絵も細かな色分けがあり、制作期間はおしりだけで3日かかることもあるとという。
一方の元餅さんは、以前から「揺れ動くもの」「流れ」など抽象的なテーマを持って、作品にイメージを見出したものを制作してきた。しかし、自分の持っている抽象的なテーマは、美術の知識がない人には分かりにくいという難点があった。今回は「水」という具体的なテーマを提示することで見る人に伝わりやすいように工夫を凝らした。日本画の技法によって制作される元餅さんの作品は、手順が多く、「まるで登山と同じように最後が見えてこない」という。
元餅さんが最も自信のある作品は、5連作で仕上げられた波を表現したもの。波の部分が盛り上がるように加工されており、時間をかけて丁寧に仕上げられたのがよく分かる美しい作品だ。
今後は2人とも、大学卒業後も作家活動を続けていきたいと語った。
【聞き手=村上真緒】
FOCUS vol.373
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