防災学習プログラム「OSAKA防災タイムアタック!」の一式(撮影=清水綾里)

■週刊FOCUS

 神戸学院大と大阪市立総合生涯学習センターは市民向けの防災学習プログラム「OSAKA防災タイムアタック!」を共同開発し、8月から一般に貸し出している。DVDやクイズパネル、回答シートなどが一式となった約1時間半の学習プログラムで、ゲームを通して防災に関する正しい知識を学ぶことができる。

 プログラムは4〜6人を目安に、最大8人のグループで取り組めるようになっている。まずDVDを視聴し、地震や津波に関する基礎知識や巨大地震発生時の大阪での被害予想などについて学習。次にクイズやクロスワードパズルに解答し、参加者同士で得点を競う。最後にまとめとして、防災チェックシートで自身の解答結果を振り返り、今後の災害への備えについて確認する。

 神院大は阪神・淡路大震災の経験を生かし2014年、全国に先駆けて、防災の専門教育を行う現代社会学部社会防災学科を開設。同センターとも13年から健康や防災に関する公開講座を実施するなど、連携を続けてきた。

「OSAKA防災タイムアタック!」に収録されているクイズ(撮影=清水綾里)

 今回のプログラム制作には2年以上かかったという。市民ボランティアの生涯学習推進員を対象にアンケートをとり、災害への危機感はあるが具体的な備えをしない人が多いと分かった。結果を基にして、社会防災学科の前林清和教授らを中心にクイズを作成した。

 7月24日には同センターで体験会が実施され、講師には制作に携わった前林教授を招いた。30人の参加者は実際にプログラムを体験し、災害への備えについて考えた。

 同センターの高貫順子さんは「災害時は市民全員が正しい知識を持ち、互いに支え合うことが重要。防災ゲームを通して備えてほしい」と話す。

 同センターは窓口で随時、大阪市内で防災学習をする中学生以上の団体や企業にプログラムを貸し出している。問い合わせは同センター、電話06(6345)5004。

(聞き手=清水綾里)

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