vol.361 誰でも使いやすい地図

障害の有無や国籍にかかわらず、誰もが心地よく暮らせるユニバーサルデザインの概念を取り入れた京都市中心部の地図冊子を、京都光華女子大のサークル「ユニバーサルデザイン研究会」の学生4人と、同大ライフデザイン学科の井川啓教授(デザイン企画)指導の下、作製した。1万部発行し、河原町の観光案内所やデパートに設置。既に福祉タクシー会社や障害者団体から、地図を使いたいとの申し出が寄せられている。
冊子は縦19㌢、横14㌢で、河原町、烏丸、大宮、西院、四条通りの各地区の地図を載せた。駅やコンビニなど一般的な情報だけでなく、点字ブロックや多機能トイレの位置といった障害者や高齢者向けの情報を盛り込んだ。英語でも表記し、外国人でも使えるようにしている。
地図作りのための調査・編集作業が始まったのは、昨年9月。実際に現地を訪れて、ベビーカーや車椅子の利用者向けに道路の道幅を測ったり、点字ブロックの位置を確認したりした。部員の大磯佳純さん(2年)は「普段の自分とは違う視点からマップを作るのは大変だった」と話した。
年内にも第2弾として、京都駅周辺の地図を作製する予定。時間の都合上今回は取り入れることができなかった、障害当事者の意見も反映させたいという。また新たにWi-Fiスポットや連絡通路の情報を盛り込めないか、検討中だ。部長の嶺帆乃夏さん(2年)は、「明るい色の見やすい地図にすることを心掛けた。多くの人に使ってほしい」と語った。
(聞き手=油井菫)
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