vol.360 幻の初代ラジオ体操第3を復刻
戦前に放送され戦後すぐに放送中止になった2代目ラジオ体操第3を復刻した龍谷大の安西将也教授と井上辰樹教授が、さらに古い時期に作られた初代ラジオ体操第3の復刻に成功した。初代ラジオ体操第3は曲のテンポが遅く緩やかな動作が多いため、高齢者や体の一部が不自由な人にも無理なくできる体操として注目されている。
2013年に安西教授と井上教授が復刻した2代目ラジオ体操第3は、DVDで発売された後にCDや本でも販売されるほどの好評を博した。その数年後、安西教授と井上教授のもとに初代ラジオ体操第3の図解が載った当時の新聞と曲が収録されたレコードが寄贈された。それにより初代ラジオ体操第3は軽い運動で上半身の動きが多く、高齢者や下肢の不自由な人にも実行できると判明。安西教授と井上教授は2代目に続き初代のラジオ体操第3の復刻に取り掛かった。
健康増進を研究する安西教授は、「ラジオ体操が生活習慣病や認知症の予防につながり、日本の健康寿命を延ばす大きな助けになる」と指摘する。今後の目標として、復刻したラジオ体操第3を広めることと、ラジオ体操の継続による健康への効果を検証することの二つを挙げた。「生活習慣病を予防するには大学時代など若い時から運動をしていることが大切。初代と2代目のラジオ体操第3を多くの人に知ってもらって、健康増進の役に立ててもらいたい」と話した。復刻された初代ラジオ体操第3はDVDで龍谷メルシーから購入できる。
(聞き手=嶋田敬史)
コメントを残す